「損害保険でのやりがいと辛さって? 2」 辛さ編
【損保日記】
損保のリテール営業。支払いの出張経験から感じた、
損保の仕事のやりがいと辛さについて、個人的な意見にはなりますがお伝えします。
今回は辛さ編です!
(赤裸々に行くます!笑)
前回の記事では、以下の4つのセグメントに分けてお話しておりました。
<やりがいと感じる瞬間について>
⒈リテール営業のやりがい
・裁量権が大きい
・目標達成力が身につく
・チームを巻き込める
⒉ 支払い業務のやりがいについて
・保険の意義を実感できる
・お客様に感謝してもらえる
<辛いと思う瞬間について>
⒊ 営業のもどかしさについて
・自分の介在価値を感じにくい
・PDCAを回しにくい
・数字達成と保険意義の矛盾
⒋ 支払いのもどかしさについて
・救える範囲が決まっている
・お客様の辛いことや怒り・悲しみに触れる
この記事では、リテール営業と支払い経験を通じて私が感じた
辛い瞬間について書いていきます!
⒊ 営業のもどかしさについて
・自分の介在価値を感じにくい
損害保険が「間接営業」です。
正直代理店さんはとっても優秀で、営業マンが介在しなくても勝手に利益が上がる代理店さんもございます。
特に新入社員の頃は、やはり代理店さんの方が圧倒的に経験も知識もある中で、
どうやってバリューを出していこうと考えておりました。
代理店さんの中には、顧客をしっかりグリップしている代理店さん、
顧客基盤が安定している代理店さんはたくさんいらっしゃいます。
そんな代理店に対しては、自分はどんな貢献ができるのだろうか、ということを考えながら提案したり、訪問したり、ヒアリングしたりしていました。
(こんな状況の時にこそいかにバリューを発揮できるかというのが営業マンのやりがいでも介在価値でもありますね…!)
また、間接営業ということは、最終的にお客様に提案するのは代理店さんになります。
時々お客様への提案時に同行することもあるのですが、全ての案件に携われるわけではありません。
なので自分の提案資料が抜群に良かったのか、
最終的に商品を販売してくださった代理店さんの営業スキル・提案スタイルがお客様に刺さったのか。
その決定的証拠が掴みにくいところは少しもどかしかったです…!
(個人的には最初は積極的に同行させて頂いたり、営業成約後、破談後のフィードバックを頂くようには心がけていました。)
・PDCAを回しにくい
上記のように、間接営業だからこそ、自ら改善点を掴みに行かないと、
代理店さんのスキルによって成約したのか落ちてしまったのかの原因分析ができず、PDCAを回せないこともあるなあとも感じていました。
保険というのは事故かがあった時、誰かがなくなった時、ものが損壊してしまった時
つまり万が一のことが実際に起こった時にこそ、効果を発揮するのです。
なので営業をする際には、
「このような事故があるかもしれない」
「こういう賠償が起こってしまうかもしれない」
このような不安をかき消すために、もしもの際にも対応できるために、保険があります。
なので営業契約時には、
「本当にこの提案で良かったのかな」
「もっと保険料下げることもできたかな」
「この補償も加えていた方が良かったかな」
という効果測定が事故が起こってからではないと分からないというのが、
営業を行いながら一番もどかしい点でした。
・数字達成と保険意義の矛盾
目先の数字を追いかけて結果を残すことも大事なのですが、
「この補償つけたけど本当にいるのかな」
「お客様のためになっているのかな」
となることが、数字達成と保険意義を感じにくい点になります。
(もちろんお客様のためにもなるし、保険の意義使命を果たすような提案にするのが営業マンのお仕事だと思います)
(とはいえ実際問題そんな綺麗事では済まない世界もあります…!!笑)
⒋ 支払いのもどかしさについて
・救える範囲が決まっている
保険の規定というのは細かく定義されています。
「この場合は保険の対象となる」
「この損壊程度であれば、保険金額の〜%をお支払いする」
のようにケースによって保険の対象になったり、保険金が変動することが多々あります。
特に地震が起きた際に出張して、お客様の被害状況から査定を行っていた際に、
「この場合は保険対象の事故とは判断できないな…」
「この損壊の程度だと、保険金額の〜%をお支払いという形になるな…」
のように、被害状況と保険の対象項目と照らしわせ合致する部分が、保険で対応できる範囲となるのです。
正直、中には、
「この保険金だけじゃ壊れた修理費にもならない」
「ああ、この保険金くらいしか出ないのね」
と言った声も頂いた事もあります。
それでも、ちゃんと保険の意義となぜそのようなお支払いになったのかということを
お客様に最後まで責任持ってお伝えるすること。
この真摯な姿勢が最も大切だと思います。
・お客様の辛いことや怒り・悲しみに触れる
上記のように、保険という商品では救うことのできる範囲が決まっているため、
保険でお力添えできなかった場合は、やはりお客様の困った様子、困惑される方、がっかりされる方もいらっしゃいました。
地震保険のお支払いの出張でも、今回の査定ではお力添えができなかったり、保険金のお支払い額が足りなかったりするケースもありました。
中にはずっと大切なものを傷つけてしまったり、壊れてしまったという方もいらっしゃいました。
そのお話を聞くのはとても辛かったですし、
でも保険で救うことのできる範囲は定まっているし。
この板挟みのような感覚でとってももどかしい気持ちになったのを覚えています。
でも、だからこそ、
・お客様のお話を最後まで聞くこと
・辛い気持ちにちゃんと寄り添うこと
この姿勢は人として接する上でとても意識していました。
またそれだけではなく、1営業マンとしては、次に繋がるようなお話、
・保険商品として具体的にどういう場面に活用できるかをちゃんとご説明する
・現在のプランにどのような補償があれば対応できるかを伝える
・保険金額の設定を変える(保険料もアップして頂く)ことで、今後何かあった時にしっかりとした保険金をもらうことができるようにする
上記のお話をすることで、今後お客様にとってどういう保険商品が理想なのかをちゃんとヒアリングを行い、営業と連携を取る。
このようなアフターケアもしっかり行うことが大切だなと感じました。
以上が僕が感じた、損害保険のお仕事での辛いこと、です!
僕が意識していたのはやはり、「辛い」という感情で止まらないこと。
起きた現象をただ嘆くのではなくて、
「今回の原因はどんなところにあったのか」
「どう受け止めて、次にどうするか」
「今後同じことが起こらないために、どう行動するのか」
という未来志向もとっても大切だなあと感じました。
ではでは!!
あお